日本ピアノ調律師協会に入会してから1年半。
主に関東の技術者の方々に初めてお会いする機会が増えました。
「はじめまして!!」と名刺を差し出すと「ブログを見たことがあります!!」と言われることも多々ありました。
今回は初めての試みですが、普段の仕事をブログでご覧いただいた千葉の同業技術者さまからハンマー付けのご依頼をいただきました。
いつも受けられるわけではないのですが、部品のストックもあり、工房の環境もタマタマ整っていましたので喜んでお引き受けしました。

ご依頼のピアノは、ヤマハグランドピアノ「C3B(旧)」。
私が一番好きな一本巻線が13本の機種です。
過去に経験があったのでハンマーのデータは持っていました。
今回のご依頼は、シャンクもハンマーもレンナー社製(独)です。

 
レンナー社のヤマハ用部品です。
ハンマーウッドはウォールナット、フェルトはFFW社製。
シャンク&フレンジはホーンビーム(シデ)です。
そうはいってもオリジナルハンマーの確認は必要。サンプルを14本送っていただきましたので、今日は、それと持っていたデータを元に穴あけ作業をしました。
作業中に間違えるといけないので仮ナンバリング。今回のハンマーは全部で96個ありましたので、適切なサイズを選定します。

 

穴あけです。思い返すと初めての時はドキドキしましたが、今となっては慣れたものです。
サクサクと進みます。
 
穴あけ完了。
いつもの自分の仕事だとレンナーハンマーの傾向がわかっているので接着前に下刺し(第一整音)をしてしまうのですが、ご依頼技術者様はレンナーハンマーが初めてと言うことだったので、「まずは初めてならぜひ感じてみてください」と下刺しナシをおすすめしました。
ハンマーシャンクの準備です。
今回のご依頼はレンナー社(独)の部品。
シャンクの直径は5.5Φ強で穴の直径は5.4Φ。このままでは穴のほうが小さいので入りません。
 
「安心してください・・・、穿いてますよ!!」
いや、違います
 
「安心してください・・・、わざとですよ!!」
シャンクの先端を0.1mm位(ウチの場合はちょっと緩めの0.2mm位)潰して穴に入るサイズに調整します。潰した部分は接着剤の水分で元に戻る作用が出てくるので、結果的にシャンクと穴が密着して隙間がなくなります。

加工後(上)

今回は偶然に同じタイプのピアノが工房にあったので、それを活用しました。一つおきに新しい部品を組み込みます。
 
次は「走り修正」です。
新しい部品の場合、ただ取り付けただけでは正常に動作しません。
まっすぐ動くように「糊紙」を貼って調整します。
 
糊紙(ピンク0.1mm・ブルー0.2mm)
送ってもらったオリジナルハンマーを組み込んでハンマーシャンクの準備は完了です。
いつもだとこの後はハンマーのテール加工をするのですが、今回から新たにテーパリング(横削り)のための道具を導入したのでそれを先にしました。
藤原産業 ETS-10KN 木工用テーブルソー255mm
 

スパーロック(米)のジグ(ドイツ経由で購入)

はじめはちょっと怖かったけど・・・
何よりフェルトが汚れなくてGoodです!!

【作業中の動画はこちら

未加工(左)
全て終わりました。今回のやり方は初めてだったのでドキドキでした。
続いての作業は、ナンバリングです。
ここまで頑張ったのに列び順序を間違えたら台無しです。
仮に入れた番号は、この後の工程で消えてしまうので、しっかり番号を入れておきます。
 
続いてテール加工です。

スパーロック(米)のジグとベルトサンダーを従来通り使用します。


加工後(左)

いよいよ下準備の最後、テールファイルです。
バックチェックの咥えをよくするための加工です。
専用のヤスリを使用し手作業です。
 
「ああっ終わった!!」感がありますが、これで下準備が完了です。
あくまでも下準備・・・
次回からは、いよいよハンマー付け作業です。
いよいよハンマーヘッドの接着です。
先日の作業でオリジナルハンマーの組み込みまで済んでいます。
まずは、オリジナルのハンマーを元に新しいハンマーの基準を接着します。
今後はこれが基準となるので慎重に・・・
 

接着が乾いたらオリジナルハンマーを外して、いよいよ本番です!!

ここからはテンポ良く進めるのが吉。
リズムに乗ってサクサクと進めると結果がついてきます。
まずは低音から始めて・・・

中音

高音までサクサクと・・・

一身上の都合で本日中に作業を終わらせるためにドライヤーで接着剤を乾燥させました。(写真なし)
次は、余ったシャンクの切断です。

 

切れの良いノコギリでゴリゴリと

 

今度はノコギリで残ったシャンクの余りを#40のサンドペーパーで削ります。
そのままでは削り後が荒いので、それよりは細かい番手で再度削ります。

写真ありませんが、このあと秘密のゴニョゴニョをして完成です!!

 

実は久しぶりの作業でしたが、
回数を重ねるごとに着実に精度が上がっています。
もちろん過去最高の出来に満足!!
アルコールランプやシャンクプライヤーなどの修正は皆無の仕上がりです!!

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